タックルについて
- 2012/05/18(金) 20:38:05
今日は
タックル
という技についてお話ししたいと思います。
前もって言っておきますが、私は
総合格闘技
といったジャンルの試合はほとんど見ませんし、また、
ラグビー、アメフト、レスリング
についての知識もありません。
ですから今から紹介する技は、上記で使われるものとは全く関連がない
私独自の技術
と思ってもらって結構だと思います。
タックルはおもしろい技です。
柔道ではある程度の
経験者同士
であれば、まず乱取りや試合でタックル(いわゆる双手刈り)が決まることはありません。
ところが突き蹴りありの総合ルールとなると、逆に
かなりの確率で決まる
決め技となります。
これはなぜかというと、ずばりタックルはパンチに対する
返し技
として使ったときにこそ真価を発揮する技だからです。
こちらから仕掛けても、色々隙があるため
さばかれて膝蹴りを食らったり
上からつぶされたり
首を決められたまま投げ飛ばされたり
とさんざんな目に遭います。
ところが相手のパンチ、特に踏み込んで突く
体重の載ったパンチ
にあわせてカウンターで仕掛けると
これほど決まりやすい技
もありません。
おもしろいように転がすことができます。
さらにいったん密着してしまうと
そこは安全地帯
であり、特に相手は体重が浮いているためなにもできない状態です。
で、使い方さえ間違わなければかなり
使い勝手のよい
技だと思います。
まあ、別にタックルが決まったからといって、うまく相手を
地面にたたきつける
ことができればいいのですが、単に
同体となって一緒に倒れただけ
では直ちに勝敗が決するわけではありません。
ですが実戦では、常に
一対多数を想定
しなければなりませんので、地面に転がされただけで
敵に囲まれて足蹴にされる
のは間違いなく、いわゆる負け、と思って良いと思います。
まずは私の逮捕術のときのタックルの動画です。
派手に相手をたたきつけていますが、このときも相手は体が私よりも
一回り以上
大きく、体重差にして10キロ以上はゆうにあったと思います。
ですが、いったん入ってしまえば体重差は関係なく、むしろ相手は
自分の体重で自滅
してしまうという、決まると非常に
自己満足感
の大きい技でもあります。
次は技の仕掛けをスローモーションで見てみます。
速度は10分の1です。
相手のパンチのコンビネーションをしゃがんでかわしているのがわかると思います。
で、次は写真を使って説明していきます。
■仕掛け
タックルを狙うときは、間違ってもレスリングのように
背中を丸めた低い姿勢
で待ちかまえてはいけません。
棒立ちのように突っ立っておき、相手の体重ののったパンチを
わざと顔面のガード
を開けて誘うのです。
事前にのらりくらりとかわしておいて、相手をじらしておくとなお効果的です。
■かわし方
かわし方ですが、お辞儀するような形で上体を倒してはいけません。
写真を見てもらえればわかると思いますが、あくまでも上体は立てたままが原則です。
感じとしては
その場にしゃがみこむ
ような感じです。
視線ももちろん相手の全体が見えていなければなりません。
で、この技のポイントは
かわすタイミング
です。
早めに反応してしゃがんでしまうと思いっきり
蹴りの餌食
となってしまいます。
よって、相手のパンチがまさに自分の
顔面にあたる瞬間
を狙って身をかがめなければなりません。
人間の視界は左右の動きには強いのですが、
上下の動き
にはなかなか目がついていきません。
ですから相手にとってみれば、まさに殴る瞬間に
相手が消えたように
みえ、上体が泳いでしまうのです。
■組み付き方
で、相手の上体が泳いだ瞬間、相手の腰骨に
ショルダータックル
をたたきつけます。
その際に組み付くわけですが、問題は持つ場所です。
私も最初は相手の膝の裏あたりがいいと思っていたのですが、その位置では相手が後ろ足を引いて突っ張ってきた場合に
簡単に手を切られて
しまいます。
持つ場所は写真を見て貰えばわかるとおり、
大腿部の裏側
が正解です。
私はこの技を教えてもらったときには、ちょっと下品ですが、
相手の尻を割り開くような感じ
と習いました。
で、思いっきりショルダータックルを入れて、つかんだ両手を引きつけるとまるで
栓抜き
のように相手を引っこ抜くことができ、相手を
後頭部
からたたきつけることができます。
今まで私はこの技に何度となく助けられてきました。
特に相手が大きい体に任せて、めちゃくちゃに殴りかかったような状況で
もう後がない
といったときに威力を発揮しました。
ですがこの技、少しでも相手に
タックルしてくるんじゃないの?
と疑われるともうかかりません。
ですから
タックルの構えをしている筋肉ムキムキのレスラー
よりも
線が細くて姿勢の高いいかにも打撃系
といった
まさかこの人がタックルなんて?
という人のほうがかかりやすいのがおもしろいところです。
そして勝負は1回のみ。
1度でも使うともう2度と決まりません。
ですから私はいざというときの
切り札
として、ここぞという場面でのみ、使ったのです。
最後になりますが、この技は相手が使い手であればかわすのか
非常に難しい
です。
ですから、
もし相手がタックルしてきたら
という想定を常に考えておかなければならないと思います。
相手がタックルに来たら
横にさばいて顔面に膝蹴りで楽勝さ♪
なんて簡単に考えているといざというときに
不覚
を取るかもしれませんよ。
ではまた。
追記です。
私は、相手をタックルでつかんだときには
スタンスは広く取らず
踏ん張らない方が良いと思います。
なぜならば、一瞬でもこちらの足を止めてしまうと、たとえ相手の両足が浮いていたとしても相手も瞬間的にバランスを回復してしまいます。
そうすると、こちらも後頭部や背中をさらけ出しているわけですし、寝技になったときに先手を取られる可能性もあります。
ですからあくまでも
突進力
がポイントになるわけです。
このタックルは
肩で相手に当て身
をいれているわけです。
そして、動画を見てもらえばわかると思いますが、
その勢いのまま駆け抜けて
いきます。
そうすると相手はバランスを崩したままですから、反撃ができないというわけです。
私の技は全て
体重100キロクラスの相手
を想定しています。
ですから、一瞬でも踏ん張って動きを止めてしまったら、そこからは体重とパワーの勝負となってしまいますので、
体重72キロの私
としては常に有利でいられるように色々考えるわけです。
今までで一番恐ろしかった相手
- 2012/05/11(金) 21:56:39
私は今までにちょこちょことエキサイティングな体験をしてきました。
それは格闘技のエキスパートたちとの対戦はもちろんのこと、
刃物を持った相手
だったり
相手が40人
いたりと、色とりどりでした(もちろん仕事ですよ)。
で、今日は今までの体験の中でも
一番恐ろしかった相手
について話したいと思います。
パトカー勤務だった時のこと、ある日の夜、
倉庫内にいる刃物を持った男
を探すこととなりました。
そこで倉庫内に入ったんですけど、その中
真っ暗
なんです。
おまけに階段があったり荷物が転がっていたりと
アスレチック
状態でした。
倉庫内の照明を点灯させればよかったのですが、
相手を刺激させてはいけない
ということで許されません。
しかもこちらが懐中電灯を照らせば
的にしてください
といっているも同然ですから、結局真っ暗闇のまま探すこととなったのです。
私は
ナイフ使いの達人
が
いつ暗闇の中から襲ってくるか
と気を遣いつつ、ちょっとでも音がしたら
後蹴り
をたたき込んでやろうと待ちかまえながら、そして内心では
びくびくしながら
手探りでうろうろしていたのです。
結局発見したのですが、見てびっくり、その男はどこから見てもナイフの達人には見えず、
ごく普通の高校生
であり、なにも持っておらず、ナイフどころかとても素直な子でした。
で、この体験はあっけない幕切れとなったのですが、1つ悟ったことがあります。
結局なにが怖いって
相手がわからない
ということに勝るものはありません。
また
暗闇が恐怖心を増大させる
ということを身をもって体験しました。
勝手に自分の中で
強敵
を作り出しちゃうんですよね。
ほんと、
敵を知り己を知れば百戦危うからず
とはよく言ったものです。
で今までの対戦?経験のなかで一番恐ろしかった相手は
なんの変哲もないごく普通の高校生
というオチでした。
ではまた。
ハイキック
- 2012/05/04(金) 12:59:19
今日はハイキックについてです。
実は私自身、かなりこだわりをもっており、特に今から紹介するハイキックは
今まで学んできた格闘技の大集成
ともいうべき技術です。
大学生レベルだったらまずかわすことは不可能で、いつでも当てたいときに当てることができていました。
相手は何が起こっているのかわからなくなってしまう状態で、乱捕り中によく相手が頭を隠して丸まってしゃがみこんで降参してしまったり、後ろを向いて逃げ出したりしたものでした。
技術的には少林寺拳法の蹴りの技術を突き詰めるとこういうふうになるのではという感じです。
動画で説明する前にちょっと昔の修行時代の話をさせて下さい。
大学時代は少林寺拳法とテコンドーの練習を合わせて
週9回
行っていました。
家ではバタンキューでほとんど動けなかったです。
大学の講義はほとんど出た記憶がないです。
よくストレートで卒業できたものだと思います。
そして当時ハイキックにはかなりの自信を持っていました。
ですが、簡単にその自信を突き崩された出来事が2つあったのです。
私が21歳の時、少林寺拳法の中でも特に武闘派で知られていた先生(山門衆と言えば分かる人にはわかるかな)と乱取りをしたときのことです。
はじめてその先生からハイキックを食らったときは
すごい驚愕
を覚えました。
だって蹴りをもらう瞬間までほんとローキックなのに、なぜかあたる場所が
あたま
なのです。
その蹴りはキックや空手、テコンドーとは何かが
根本的に違う
まさに少林寺拳法ならではの蹴りだったのです。
その蹴りは、外からみると別に2段蹴りや掛け蹴りといったものでもなく
一直線
の普通の蹴りにしか見えません。
ですから横から見ていると
なんで顔のガードをわざわざ下げたんだろ。へたくそ。
なんて思うのですが、実際蹴りを食らう当人にしてみれば
ローかミドルへのキック
と勘違いするので、どうしてもガードが下がってしまうのです。
次、私が22歳の時フルコンタクト空手の人と
フルコンタクトルールで立ち会ったこと
がありました。
その人は身長185センチ、体重90キロで筋肉ムキムキ、趣味でよく
トーナメント荒らし
をしていた方で、いわゆる一流の選手でした。
でやり合っている最中に私の左ハイキックが
クリーンヒット
したのですが、その人は軽く首を回しただけで
小揺るぎ
もしません。
結局、私のハイキックは通用しなかったのです。
それから、私は蹴りの
軽さ
に気づき、重い蹴り、つまり
インパクトの瞬間にいかに体重を乗せるか
にこだわりだしたのです。
では動画です。
大学で行なっていた乱取りの練習の録画から抜き出したものです。
このときの状況ですが、顔面パンチありのなんでもありルールで行い、このとき私は
パンチをさばいては首投げや蹴り
を決めまくっていました。
そのため間合いは詰まっているのですが、相手は攻めて来られず足が止まっているのです。
ただ、さすがにハイキックを思いっきり入れて、練習相手がいなくなるのも寂しいのでハイキックでは
軽くほっぺたをビンタ
するだけにしていました。
動きの最中にハイキックをもろに当てないように軽くあてるのも結構難しいですが。
で、一見すると、
スピードの速いハイキック
というだけで、とりたてて特別なテクニックはないように見えますが、実は
色々なテクニック
を使っています。
わかりづらいと思うので、スローモーションの動画で説明します。
スピードを10分の1に落としています。
■ポイント1 軸足
私が軽く踏み込んだ瞬間、相手は間合いを外しています。
普通であれば届かないのですが、私は
テコンドーのスライド
のテクニックを使ってバランスを崩さずに軸足を滑らしています。
さらに合わせて
軸足を思いっきり反転
させ間合いをのばしているので、届かないはずの蹴りが届いています。
■ポイント2 軸足のつまさき
私はどんな蹴りを出すときでも、必ず軸足は
まっすぐ
に踏み込み、つま先を相手の方に向けています。
これは軸足の角度から蹴りの種類を
悟られないよう
にするためです。
そして、膝をあげてからはじめて軸足を
回転
させ間合いを調節しているのです。
■ポイント3 膝
蹴り足の膝も同じく、どんな蹴りを出すときでも
まっすぐ
出します。
私は蹴りを指導するときにはどんな蹴りの時も
膝蹴りを相手の顔面にたたき込むように膝をあげろ
と指導していますが、そういう感じです。
その理由ですが、途中までの軌道を同じにして
蹴りの種類を悟られないようにするため
がまず1つ。
次、単純に
蹴り足を速くするため
です。
蹴りを直線的に最短距離で出すことによって蹴り足のスピードを速くしているのです。
最後に、
相手をふところに入らせない
です。
これが一番の理由なのですが、
蹴りを出すときに一番怖い
のは蹴りの瞬間にふところに入られることです。
顔面パンチ、タックル、体当たり等の攻撃をやられると、こちらは片足をあげているだけに防御ができません。
ですから膝をあげたときにまっすぐに膝をあげることによって、蹴りに合わせてふところに入られるのをできるだけ防いでいるのです。
■ポイント4 腰
腰は出しません。
腰は引いたまま膝をあげます。
蹴りを出すときに腰を出すと、もし
蹴り足をキャッチ
されたときに簡単に体勢を崩されるからです。
腰が残っていればキャッチされてもそのまま
顔面パンチ
で連撃につなぐことができるのです。
こうすれば相手が逃げた場合にも、瞬間的に腰を突き出して間合いを伸ばし、ケリを届かせることができるのです。
■ポイント5 力を抜き、リラックスする
なにげなく膝をあげる感じです。
イメージ的には
膝ブロック
みたいな感じです。
力まず垂直に膝をあげ、膝を抱え込んでから色々な蹴りに変化させるのです。
ただ、こういった蹴り方は威力においてキックやフルコンタクト空手に劣ります。
蹴りの威力を出すには
軸足を思い切り踏み込み
腰を思い切り開いて
蹴り足を外から回して
腕を振った反動を利用して
蹴るのが一番であり、この蹴りは上記のすべてに逆行している蹴りなのです。
ですからこの蹴りに
いかにして威力をつけるか
が大きな命題となってくると思います。
で、次が本命のポイントです。
■ポイント6 直前までローキック
私の視線は顔ごと完全に
相手の足
を見ています。
私が上体を立てたままで、なおかつ視線を足に向けているため、相手は完全に
ローキックと勘違い
しているのです。
ですが簡単そうに思えても、実際やるとこれが難しい。
視線、体制、肩の動き等、すべての体の動きでフェイントを掛けるのは、本当に高度な技です。
さらに前後にパンチのフェイントも入っています。
■ポイント7 事前の準備
これは当たり前のことですが、適当にローキックを出しておき、
印象づけて
おきます。
この前に私は大げさにのけぞってハイキックのフリをして
実はロー
という
まことにいやらしい
動きをしますので、相手は混乱してしまっているのです。
■ポイント8 スピード
自分でいうのもなんですが、私の蹴りは速いです。
で、どうやってスピードをつけるかですが、
ひたすら蹴る
しかありません。
練習あるのみです。
ちなみにこの動画ですが、寸止めしているのでまだスピードを
抑えている
ほうです。
手加減無しで蹴ればもっと速いんじゃないかなあ。
でもこのブログは、
試合、乱取り
等の実際やっている場面の動画しか乗せない方針にしていますので、危なくないように申し合わせてやることはしないでおきます。
■ポイント9 フォロースルー
蹴り終わった後、私の蹴り足は反対を向いて背中を見せています。
これは別に
勢い余って回りすぎた
訳ではなく、そのまま
後蹴り、もしくは後ろ回し蹴り
を出せる体勢に入っているのです。
これは、大学生が間合いを外したため、間合いが
離れている
からそうしたのであって、もし近かったら
パンチの連打
を打てる体勢になっていたと思います。
このハイキックは相手の意表を突くため
クリーンヒット
しやすいのですが、どうしても威力は劣ります(充分、KOはできるのですが)。
ですからこの蹴りは一撃必殺といったたぐいのものではなく、あくまでも
連撃必倒
のための
きっかけ
くらいに考えておいて、次の攻撃につなげられるようにしているのです。
以上がポイントです。
最後になりますが、キックやフルコンタクト空手の人は
さすがハイキックに慣れて
おり、なかなかハイキックのガードを下げません。
さばき方も上手でやっててさすがだなあと思います。
また、テコンドーではステップとバックスウェー(上体を反らすこと)でこれまたうまく
ハイキックをさばき
ます。
転じて最近の少林寺拳法の拳士を見ると全然ハイキックに慣れておらず、
まるで七面鳥打ち
のように簡単にハイキックが入ります。
つまるところ、あまりハイキックの練習をしていないからですね。
ところが少林寺拳法の方々でも古い人たち、いわゆる50歳以上の方は
実にうまく
ハイキック、ローキックを防御します。
簡単にガードを下げません。
その世代はほんとに乱取りを
やりこんで
いるからです。
ですから少林寺拳法の若い世代は(私も含む)、先達の方々からそういった
乱取りのテクニック
も引き継いでいかないと、護身術として使い物にならなくなっていくのは
間違いない
と心底思うのです。
■補足
今回ハイキックの紹介をしましたが、これはあくまでも
数あるハイキックのうちの1つ
です。
別にこのキックが最高のキックというわけではありません。
私自身、テコンドーの蹴り、キックの蹴り、空手の蹴り等色々な蹴りを使いますから。
指導しているときによく
どの格闘技の蹴りが一番いいんですかねえ
なんて聞かれるんですが、わたしは
あらゆる蹴りを使いこなせるようになれ
と答えます。
もしベストの技術が存在するならば、世の中に
格闘技は1つあれば
いいわけですが、実際そうではないです。
相手の人数、体勢、地形から自分の体格、テクニックにいたるまで、あらゆるシチュエーションにおいて
理想の蹴りは変わってくる
訳ですから、ようは
あらゆる蹴りが使えたら一番いい
のではないかと思うのです。
また、革靴の時にはさらに別のテクニックがあるのですが、これは別の機会にでも。
